ラボラトリー方式の体験学習のことを、ラボラトリー体験学習と呼ばれることがあります。ラボラトリーとは、実験室という日本語訳が一般には使われます。しかし、人間関係を実験室で学ぶとなると、少し違和感を感じる方も見えるかもしれません。もともとは、K.レヴィンと仲間たちによって、グループダイナミックス研究の成果を用いた民主的風土づくりのためのワークショップから誕生した学習方法です。
1947年に始まった「Human Interaction Laboratory」のラボラトリーから由来しています。人間関係(自己理解、他者理解、グループダイナミックス、リーダーシップなど)を学習者(参加者)自らがいろいろと試み(実験し)ながら学ぼうとする学び方です。私どもJIELでは、その学び方のキー概念は、「コンテントとプロセス」と「体験学習の循環過程」であると考えています。
私たちが日常グループや対人間で話し合っている際の課題や話題を「コンテント」とよび、その課題や話題に向けて活動をしている間に、個人の内で、また対人間やグループ・組織の中で起こるダイナミックスが「プロセス」です。下図のように氷山図で示されます。「コンテント」と「プロセス」は表裏一体のものであり、どちらも大切に扱うことが必要です。
また、その「プロセス」における気づきを大切にして、分析して概念化したり、次回の新しい場で試みる課題を考えたりするステップを「体験学習の循環過程」とよび、学びの大切なサイクルとして、下図のように示されます。
出典:JIEL(日本体験学習研究所)「ラボラトリー方式の体験学習を知る」より